美しいHUG!

展覧会
2023.4.29sat
— 
8.28mon
プロジェクト
2022.6.11sat
参加アーティスト
  • 青木 野枝
  • 井川 丹
  • 川俣 正
  • きむらとしろうじんじん
  • 黒川 岳
  • タノタイガ
ゲストキュレーター
  • 森 司

美しいHUG!

八戸市美術館が掲げる「出会いと学びのアートファーム」のコンセプトを、当館が展開する事業の2つ柱「展覧会」と「プロジェクト」で体現する企画として、ゲストキュレーターに、元・水戸芸術館の学芸員で、現在は東京都歴史文化財団でさまざまなプロジェクトを統括する森司氏を迎え、「美しいHUG」を開催します。

人々は、相手に愛情や友好関係を表現するコミュニケーションとして“HUG(ハグ)”をします。日本では、欧米のような日常的なハグの慣習はありませんが、意見や価値観が異なりつつも相手を認める時、敵対のないことを伝える時、試合で負けた相手にその強さと健闘を讃える時など、尊敬の念を持って交わし合うハグを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。コロナ禍で、世界的にも、ハグは回避することが推奨される状況ですが、現代社会においては、他者と必ずしも同一になるのではなく、それぞれが異なったまま出会い、リスペクトの上、エールを送り合うようなハグのマインドが求められている時代かもしれません。

新しくなった八戸市美術館では、「美術館での展覧会」と「地域でのアートプロジェクト」が有機的に交わるあり方や、さまざまな立場の人が作品を通じてハグをするように出会う場を生み出したいと考え、開館後2回目の春を迎える八戸市美術館の企画テーマとしました。

展覧会とプロジェクト、アーティストと八戸、音楽と美術、過去と未来、見えないものと見えるもの…。さまざまなHUGを八戸市美術館から生み出し、そのことがこの美術館と地域を育む種となることを期待して、この企画を実施します。

ゲストキュレーター

森 司
MORI Tsukasa

1960年愛知県生まれ。前職の水戸芸術館現代美術センター学芸員時代(1989 – 2009)には、川俣正、日比野克彦、宮島達男などの個展を企画する。2009年より公益財団法人東京都歴史文化財団アーツカウンシル東京事業部事業調整課長。

「東京アートポイント計画」ディレクターとして NPOなどと協働したアートプロジェクトの立ち上げから企画運営に関わり、人材育成プログラム「Tokyo Art Research Lab」を手掛ける。2011年7月から 2021年3月まで「Art Support Tohoku-Tokyo(ASTT)」を担当した。2015年より東京都オリンピック・パラリンピックリーディング事業ディレクターとして、障害の有無、世代、性、国籍、住環境などの背景や習慣の違いを超えた多様な人々の出会いによる相互作用を表現として生み出すアートプロジェクト「TURN」を担当し、TURNフェスなどを実施する。東北芸術工科大学客員教授、女子美術大学特別招聘教授。

ゲストキュレーター 
森司からのメッセージ

昨年八戸市にオープンした美術館は、プロジェクトや講演会を展開するための場である「ジャイアントルーム」が特徴で、飲食も可能な、屋根のある広場のように人が集う場です。この「ジャイアントルーム」を日常生活と地続きにある流動的な時間軸を帯びる動的な空間だとすると、作品を展示するためのギャラリースペース「ホワイトキューブ」は作品が鎮座する静的で非日常的な空間です。この性格が異なる二つの空間の連なりが、新しい八戸市美術館のあり様と捉えています。それぞれ「アートプロジェクト」と「アートワーク」のための場と規定しつつも、それに囚われない「新しい使い方」をゲストキュレーターとして試してみたいと考えています。 そこで、私は、6人のアーティストにお声がけをして、性格の異なる二つの空間が入れ子になるように、会場を構成することにしました。さらに、まちから美術館へと、あるいは 美術館からまちへとつながることも考えています。今回の展覧会タイトルは「美しいHUG」。アーティストが美術館と出会う。鑑賞者が 作品と出会う。ワークショップやプロジェクトと 出会う。過去と現在と出会う。そして、多くの人が「新しい美術館」で「アートプロジェクト」と「アートワーク」と出会う。ありったけの出会い方の創出をイメージして、「美しいHUG」という言葉に託しています。

展覧会

2023年4月29日(土)〜8月28日(月)

青木 野枝
AOKI Noe

1958年東京都生まれ、埼玉県在住。1983年武蔵野美術大学大学院造形研究科修了。鉄板から円盤形や丸の形、直線など、基本となる形に溶断したパーツをつなぎ合わせ、創作の初期から生命やその働き、生命の源である自然を循環する水の姿を表現してきた。
霧島アートの森(鹿児島)や府中市美術館(東京)での個展開催のほか、瀬戸内国際芸術祭(香川)などの芸術祭では地域の自然や歴史と調和する屋外インスタレーションを制作するなど、注目を集める。
主なコレクション先に国立国際美術館、愛知県美術館、豊田市美術館、主な受賞歴に芸術選奨文部科学大臣賞、毎日芸術賞、中原悌二郎賞がある。

井川 丹
IKAWA Akashi

1984年埼玉県生まれ、千葉県在住。東京藝術大学音楽学部作曲科卒業。「人の声」を創作の中心に据え、表現活動を行う。演奏会用作品やサウンドインスタレーションの制作をはじめ、美術家、建築家、ダンサー等との共同制作のほか、近年はアートプロジェクトへの参加、市民参加型ワークショップ、こども創作教室のファシリテーション等を通じて、音を介した表現/コミュニケーションを拡張させ、居合わせた者が多様な身の置き方のできる「場」作りを探求している。
近年参加のプロジェクトに、Memorial Rebirth 千住 2018 西新井(東京/2018年、大巻伸嗣作品への参加)、TURNフェス6(東京/2021年)など。

川俣 正
KAWAMATA Tadashi

1953年北海道生まれ。フランス在住。1982年のヴェネチア・ビエンナーレ以降、世界各国の国際展やグループ展に参加し、2005年横浜トリエンナーレでは総合ディレクターを務める。東京藝術大学先端芸術表現科主任教授、パリ国立高等芸術学院教授を経て、現在もパリを拠点に活動。完成までのプロセスを作品とみなすワーク・イン・プログレスの手法を基本とし、公共空間に木材を張り巡らせるなど大規模なインスタレーションが多く、建築や都市計画、歴史学、社会学、日常のコミュニケーション、あるいは医療にまでその領域は多岐にわたる。東北では、「仙台インプログレス」(宮城県仙台市沿岸部/2017年~)や、「Reborn-Art Festival 2021-22[後期]」(宮城県石巻市/2021-22)でプロジェクトを展開している。第63回芸術選奨文部科学大臣賞受賞(2012年度)。

きむらとしろうじんじん
KIMURA Toshiro JINJIN

1967年新潟県生まれ、京都府在住。京都市立芸術大学大学院美術研究科で陶芸を学ぶ。1995年から、参加者がお茶碗に絵付けを施し、その場で焼き上げられた自分のお茶碗でお茶を楽しむ移動式陶芸お抹茶屋台「野点」を全国各地で開催。「もっともチャーミングな」服装で参加者をもてなし、路地・空き地・公園などに一期一会の風景や交流を生み出している。青森県では、1999年に青森市、2005年に青森市と弘前市で開催。また、水戸市で参加者がオリジナル屋台を開く「野点2008+妄想屋台祭り」(水戸芸術館/2008年)を開催。一般社団法人「谷中のおかって」とともに、こども創作教室「ぐるぐるミックス」の立ち上げに関わる(2010~2013年度)。

黒川 岳
KUROKAWA Gaku

1994年島根県生まれ、京都府在住。2016年東京藝術大学音楽学部音楽環境創造科卒業、2018年京都市立芸術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻修了。物体や環境と身体との関係に着目し、捉え難いものを捉えようとする試みの中で、音や風、水、生物など様々な対象と自身の身体を直接関わらせながら、素材との関係性が「触れる」という感覚に置き換わるときに生まれる物のかたちや所作を彫刻やパフォーマンス・音楽などの作品で、表現している。近年の展覧会に、「甕々の声」(アートラボあいち/2021年)、「奥の工場見学」(千丸屋京湯葉本店/2021年)などがある。「六甲ミーツ・アート 芸術散歩 2018」公募大賞準グランプリ(2018)。

タノタイガ
TANOTAIGA


東京都生まれ、仙台育ち、東京都在住。東京造形大学彫刻科卒業。東北芸術工科大学大学院修了。立体造形、映像、パフォーマンスなど素材にとらわれない多様な表現手法によって、社会制度やルール、法律などの記号性と 媒体性を誇張した風刺的表現を行う。ときには、作家自身を媒体化することで日常に埋もれた社会や集団の倫理性を表出させ、作品にはユーモアと毒を兼ね備える。主な展覧会に「タノンティア資料室」(せんだいメディアテーク/2011年)、 「あそびのじかん」(東京都現代美術館/2019年)がある。

プロジェクト

2022年6月11日〜

きむらとしろうじんじん野点 in 八戸

アーティストのきむらとしろうじんじんさんと、その場で絵付して焼いたお茶碗でお茶を楽しむ、移動式お抹茶屋台「野点」のプロジェクトを開催。2022年度は、プロジェクトチームで開催場所を探す「おさんぽ会」を経て、10月1日(土)八戸市美術館マエニワでの開催が決定!

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