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レポート
2022.5.28 - 2022.5.30

井川丹作品 制作リサーチその1 〜作品の舞台をめぐる〜

5月28日(土)~30日(月)井川チームで八戸リサーチ

井川丹さんが、音響や録音を担当する田中文久さん、作詞を担当する大西健太郎さんと共に、八戸に滞在。作品制作のためのリサーチを行いました。

滞在初日は、開催中の展覧会「持続するモノガタリ」を見ていただき、今回の音楽作品のテーマとなる教育版画作品《虹の上をとぶ船 総集編Ⅱ》シリーズの4枚と対峙しました(前回来八時には、展示設営中に、総集編Ⅰの4枚を見ていましたが、途中展示替えがあり、今回は総集編Ⅱを鑑賞)。

閉館後には、館内にスピーカーを設置し、再度、音響担当・田中さんと井川さんが音の響き方や機材をチェック、作品構想を練りました。

スピーカーで音の響きをチェックする

2日目は、大西健太郎さんが合流。八戸で教育版画の制作を指導した坂本小九郎先生が赴任した学校や、絵の題材となっていた漁港、うみねこのいる蕪島、船などが見られる場所や、地元スーパーに立ち寄って食材の陳列などを見てまわりました。偶然にもこの日にちょうど来館していた、町田市立国際版画美術館の学芸員・町村さんらご一行とも一緒に、作品の“聖地巡り”ツアーです。

ちなみに、この時、町田市立国際版画美術館では、戦後の版画を辿る展覧会「彫刻刀が刻む戦後日本― 2つの民衆版画運動 工場で、田んぼで、教室で みんな、かつては版画家だった」が4月23日〜7月3日の日程で開催中でした。こちらでも《虹の上をとぶ船》の総集編シリーズが展示されており、関東圏に住む井川さん、大西さんは、作詞のために町田の版画美術館に通っていたのでした。同時期に同じ作品が2つの美術館で展示されうるというのは、版画作品の特性ですね。

現地を見ると、子供たちや坂本先生たちが身を置いていた暮らしやそれらへの眼差しを追体験できるようで、より臨場感を持って作品を理解する機会となりました。

絵にも描かれていた、船の骨組みも、近しいものを見ることができ、興奮。

坂本先生が赴任した鮫中学校(グラウンド越しの風景が絶景!)や、南浜中学校の地区にある漁港も訪れてみました。

《虹の上をとぶ船》は中学生による共同制作作品ということもあり、この音楽作品は、歌い手も、小学校の児童や中学校の生徒たちに歌ってもらえる合唱曲に仕立てる方向になりました。今後、美術館側では、合唱曲を歌ってくれる歌い手を探すことに。学校に相談を持ちかけます。

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