レポート
2022.10.1

きむらとしろうじんじん八戸野点2022 in 美術館マエニワ

八戸市美術館マエニワの野点の様子を眺める木むらとしろうじんじんさんの後ろ姿

ついに野点本番!

2022年6月・7月のおさんぽ会での会場探し、9月の体験説明会など、
プロジェクトスタッフのみんなで、本番に向けて準備を進めてきました。
でも、お客さんの来る本番は、初めて。スタッフはドキドキです。

当日朝から集まったスタッフで、美術館のマエニワにテントを立て、リヤカーを下ろし、絵付け用の釉薬をよく溶かして……と手分けして準備を行いました。
前の週に体験説明会で設営の練習をしたので、スムーズに会場作りが進み、予定通り昼前には終わりました。
さて、お客さんはどのくらい来るでしょうか?
テントの下のテーブルで釉薬の準備をするスタッフたち 赤い衣装を着て、八戸市美術館から登場するきむらとしろうじんじんさん

きむらとしろうじんじんさん、衣装を着て登場。

昼になると、お客さんが4組ほどやって来ました。
早く来たお客さんから案内して、まずは絵付けするお茶碗を選んでもらいます。
ずらりと並んだいろんな形の素焼きのお茶碗。なんと、形の種類は20種類!
じんじんさんがアトリエで轆轤を回して作ったお茶碗です。
みなさん手に取りながら、どれにしようか悩んでいました。
絵付けをするお茶碗を選ぶ親子

お茶碗を選んだら、絵付けスペースへ。焼き上がり見本の色を見ながら、釉薬を選び、お茶碗に絵付けをしていきます。
花柄や水玉模様を描く人もいれば、たくさんの種類の釉薬を混ぜる人、一色をたっぷり付ける人もいます。
お客さんが集中して絵付けをしている様子を見ながら、スタッフは釉薬を混ぜたり、お客さんの質問に答えたりします。

お茶碗に釉薬で縞模様を描いている手

絵付けスペースが混み合っている時は、お茶碗だけキープしてもらい、美術館の展示を案内しました。
この日はちょうど第59回八戸市美術展が開催中。この展示を観に来た人たちも、美術館マエニワにできた人だかりや、ドラァグクイーンの格好をしたじんじんさんを目にして、何事かと見ています。

絵付けが終わったら、じんじんさんのいる窯焼きリヤカーへお茶碗を持っていきます。
このリヤカーに積まれた窯で順番にお茶碗を焼きます。
じんじんさんが、焼かれたお茶碗を窯から取り出し、いったん新聞紙が燃える缶の中に入れます。
自分が絵付けしたお茶碗がいつ出てくるかと、みなさん楽しそうに待ちかまえていました。
しばらくして、缶から取り出すと、水にジュッと浸けて冷やします。
燻したお茶碗を取り出すきむらとしろうじんじんさんと、それを見守る人たち 窯から取り出したお茶碗に息を吹きかけるきむらとしろうじんじんさん

焼けたお茶碗を仕上げるのが磨きの作業です。
これもスタッフが手分けして行いました。
お茶碗の黒い煤を落とし、溶けた釉薬のガラス質が尖っていたら危なくないようにやすりがけします。
焼き上がったお茶碗を磨くスタッフたち

この磨きが終わったら、お茶碗は完成です。
焼かれて色が変わり、釉薬が溶け、姿の変わったお茶碗に、お客さんたちは一喜一憂。
スタッフたちもお茶碗に綺麗な色や景色を見つけては、嬉しそうに見せ合っていました。
子どもが手に持っている、複雑な模様の入ったお茶碗 縁に垂れた釉薬と中が金属のように光っているのが印象的なお茶碗 水玉模様のお茶碗

じんじんさんが、完成したお茶碗でお茶を点てます。
席に案内されたお客さんは、じんじんさんと話し、自分が作ったお茶碗をしげしげと眺め、お茶を飲んでいました。
皆さんとても楽しそうでした。
参加者にお茶をふるまうきむらとしろうじんじんさん 自分のお茶碗で点てられた抹茶を飲む手

最後にスタッフがていねいにお茶碗を包み、代金をいただいて、お茶碗をお渡しします。
その横で、美術館の学芸員が来年の展覧会にお茶碗を展示させてもらえないかと、呼びかけました。
20人以上の人が、お茶碗の展示協力になってくれました。

日も沈み、お茶碗が焼き終わると、最後にみんなで片付け。
朝から頑張っていたスタッフたち、ヘトヘトになりながらも、もう一踏ん張りして片付けました。

野点スタッフが八戸市美術館を背景に記念撮影

写真:蜂屋雄士

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