吹き抜け部分が完成したら、次はジャイアントルームの床に置く作品を組み立てます。
搬入の時は2mほどだった山と、半円を描くように溶接された別のパーツと、
さらに別に用意した大小さまざまなサイズの輪っかを、サイズや、付ける角度を確認しながら、溶接していきます。
そうして組み上がった山の高さは、なんと3m以上!
青木さんは、あらかじめジャイアントルームの広さを確認し、
どのくらいのサイズにすれば自分のイメージに合った作品が完成するのかを計算して、
作品のパーツを用意してきたそうです。
完成に近づいた山は、お互いの山との距離感などを微調整しながら、
ジャイアントルームに配置されていきます。
当初、この山は全て一つにつながる構想だったそうですが、
実際の空間に配置していく中で、それぞれが独立した状態の方が良いと判断したそうです。
事前の準備で用意してきたものでも、
現場での判断で使わない決定をしたり、別のものを新たに組み上げたり……
その時々で作品の形が変わっていくことについて
「その日、その時の気分や感覚の変化に合わせて、作品の表情も少しずつ変わっていく」と、話す青木さん。
青木さんがどんな気持ちで作品を作っていったのか、ぜひジャイアントルームで体感してみてください。
ところで、今回の青木野枝さんの制作は、ほとんど公開制作のような形で作業をしていただいたので、
たまたま美術館に立ち寄ったら溶接をしていた、という方もいたのではないかと思います。
このような状況は、さまざまな出来事が同時多発的に発生するジャイアントルームならではのことです。
作品を撤去する際も見学できる日があります。
展示が終わったあとの作業を見られるのもあまりない機会かと思いますので、
ぜひ、チェックしてみてください。